極上の他人
「極上のごく。その漢字をあてて、きわみ、と読む。満足できる、極上の人生を歩めるように、この名前にする」
「極……」
「ああ、結婚する前から決めていたんだ。だから、決定」
輝さんの幸せに満ちている声で、この家族会議は終了したらしい。
というより、私の意見は聞かれることもなく、名前は『極』に決定したようだ。
けれど、私には何の異論もない。
「……極上の人生を、私達みたいに、過ごして欲しいね」
膨らみも何もないお腹に手をあて、まだ見ぬわが子「極」の行く末が幸せに満ちるようにと、願う。
「極上の人生」を歩むように、そして、愛する人に愛される幸せを、この子も得られますようにと、祈る。
「肝っ玉母ちゃんは、頑張らなきゃ」
決意を込めて、そう呟いた。
目指すは、強くてたくましい、肝っ玉母ちゃんだ。
「お手柔らかに頼むよ……」
輝さんの明るい声に大きく頷き、これからも続いていく極上の人生を思い、わくわくした。
【 番外編:極上の人生 完 】


