ふわふわな恋。
桜の木の下で

校長先生の長々とした話を聞くだけの入学式も無事に終わり。

クラスで部活決め中。

「麻依は部活入るの?」

「テニスやるよ♪」

麻依はラケットを振るジェスチャーをしながらかっこいいキメ顔をした。

テニスかぁ〜!

確かに顔がテニス顔かも!
運動神経よさそうだし!

「小さい頃からやってるからね〜」

そうなんだぁ…
テニスなんてボール空振りするだけで終わりだよあたし…。

唯一できるスポーツは…ソフトボールくらいかなぁ?

中学のとき少しやってたくらい。

それ以外は人並みくらいかな。

「愛莉ちゃんは部活入んないの?」

サッカー部に入るらしい涼くん。
振り返って笑顔で問いかけてきた。

この高校は部活入っても入らなくてもいいらしい、いわゆる自由参加ってやつ。

家の手伝いもやらなきゃいけないし…

「あたしはやらないかな〜」

帰宅部に入ろう。

「まぢか」

優は?と今度は優くんの方に顔を向ける涼くん。

その合図であたしと麻依も優くんの方に顔を向ける。

優くんは相変わらず机に頬杖をついて涼くんをじっと見つめている。

「…はいんないかな」

優くんはワンテンポ遅れてるのかな。
問いかけられて数秒後に答える。

それがなんか可愛かったりもする。

「じゃぁ俺と麻依ちゃんは入って、優と愛莉ちゃんが入らないってことかぁ!」

「そうなるね〜」

高校入ってまで部活やろうと思えるなんてすごい2人だな…。


< 8 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop