ふわふわな恋。
「あ、そうそう」
涼くんが何かを思い出したように手を叩いて、ズボンのポケットから携帯を取り出す。
黄色いカバーにクマのマスコットがついたiPhoneだ。
こんな怖そうな人がクマのマスコットつけてるなんて…
ギャップありすぎてなんか笑える。
まあ実際怖くもなんともないんだけど。
「みんなLINE!おしえて!」
キラッキラしたスマイル。
この笑顔、涼スマイルと呼ぼう。
涼くんの言葉に麻依は誰よりも早く携帯を取り出して、LINEを交換し始めた。
LINEを交換してる最中の麻依の顔を忘れない。
キラキラしてるんだもの。笑
続いてあたしも涼くんとLINEを交換する。
あたしの後に優くんは渋々ポケットから携帯を取り出す。
黒いカバーになんもついていないiPhone。
シンプルでかっこいいなぁ…
優くんは無言で涼くんとLINEを交換。
みんながお互い交換しあって
最後はあたしと優くんが交換する番。
なんだろ、手が震える…。
交換してる最中、無言だ。
前では涼くんと麻依が楽しそうにおしゃべりしているが、こちらは無言でございます。
なんか気まずくてちらっと優くんの顔を見ると、綺麗な顔立ちが視界に入った。
近くで見ても綺麗だなぁ…。
携帯を見つめる長いまつげ。
そして携帯を持つ細長い綺麗な指!
男子でこんな指が綺麗な人初めてみた。
下手したらあたしより綺麗だ。
優くんのLINEがあたしの携帯に入ってきて、携帯を閉じる優くん。
「あ…ありがと!」
一応お礼を言ってみると、前を向いたまま軽くうなずいた。
…なんだ。
もっと笑ってくれたりしても
いいんじゃないか。
そう思いながらぷくっと膨れて前を向く。