澪ちゃん恋をする
「あ~気づいてないのか」
「え?」
先輩は顎に手を添えながらう~んと考えている格好をした。
な、なに?あたし、なんかした?
「いや、こっちの話だよ。澪ちゃん」
先輩は意味ありげにははっと笑った。
てか、澪ちゃん…
澪ちゃん?
…澪ちゃんっ!!!!!
「なななななな名前!!」
あたしは学習することなくどもりまくった。
でもそれよりなんで名前知ってるの!!?
「この前、一緒にいた男の子が『澪』って呼んでたから…。合ってる?」
先輩が笑いながらそう言った。
あ、そういうことか。
ビックリした。
「1年3組の佐伯澪です。昨日はありがとうございました。」
あたしは簡単な自己紹介とお礼を言って頭をさげた。
「いえいえ、どういたしまして」
そう言って先輩はニコッと笑った。
そ、その笑顔…かっこよすぎです。