旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
 バン――!!

 テーブルの上に力一杯手を置くのと同時に正座から膝を立てる形で体をあげる。

 盛り上がっていた部屋の空気がしんと静まりかえった。

 でもそんな事はどうでもよかった。

 ……彼が思うお祖父さんへの想いを侮辱されて黙っていられなかった。

 黙って聞いていた彼の瞳は悲しげで、悔しさを隠すように膝に置いた片手は力一杯握りしめられ怒りからか微かに震えていた。

 許せない――!

 そう思うと気がつけば私は叫んでいた。

「三田井三田井って!地位や権力がなくてもお祖父さんは鈴木グループを立ち上げたんですよね!?何故自分達は鈴木グループを支えようとはしないのですか!?お祖父さんが必死で作り上げて来たから今の貴方達の地位があるのではないのですか!?そんなに三田井がいいなら養子にでもなられたらいかがですか!!」

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