旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「すいませんが、俺達はこれで失礼します。どうぞ皆さんごゆっくり」

 笑顔で彼がそう言うと私の手を引き居間を出ていった。

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 彼は自分の部屋へ入り私の手を離すと肩を震わせ笑いだした。

「ハハ!本当に貴女は面白いですね」

 右手で左肘を持ち、左手を口に当ててククっと笑う彼。

「あ、あの……私……凄く失礼な事を」

 冷静になって自分が言った暴言に顔が青くなって行くのがわかる。

「大丈夫ですよ。瑞希さん」

 彼はフッと笑うと私の手を握ってきた。

「俺の為に言ってくれたんですよね?……ありがとうございます」

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