れぷりか


「…あの…私…」
私が喋ろうとすると

「咲希ちゃんっ」
それを遮るように美希が続ける。

「もしね、私に遠慮してるなら…
そんなの、ダメだよ?ちゃんと気持ち伝えなきゃ」


「……無理、だよ。」
美希はわかってない…

「美希は覚えてなくても…ヒロが好きなのは、ずっと…美希なの。」

今更…ヒロに私はもう必要ないのに。


「…あの…彼が、そう言ったの?
咲希ちゃんはそれでいいの?」

「言わなくてもわかるよ。
私には、どうする事もできない。」


「…本当にそれでいいの?」

私の思いとは裏腹に、美希はそう問いかけてくる。


「もう…いいの。」



「咲希ちゃん…あのね
私ずっと、咲希ちゃんが羨ましかったんだよ」


「‥‥え?」

返ってきたその予想外な言葉に、私は思わず聞き返しえしまう。


< 95 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop