歩き出せ私たち
そしたら、ふっと気が緩んだのか、目頭がじんわり熱くなってきた。
良かった。
まだ、トモヤと二人でいられるんだ。
「クリスマス、どうする?」
そう、不意に顔を覗かれて、少しの沈黙が流れる。
涙が一筋、こぼれ落ちた。
「なんで今、泣くんだよ・・・」
「分からない。」
「・・・あー、だめだ。」
トモヤは目を手のひらで押さえ付けて、エンジ色の椅子の背もたれに体を預けた。
上を向いたのは、涙が零れないようにするためなのか。
でも、重力には逆らえない。
涙が、手の下からポロポロとこぼれ落ちる。
「クリスマスは、もちろん二人でしょ。」
遅れて答えた私の言葉に、トモヤの口はにこりと笑った。
それからはもう、何も言わなくなった。
きっと今の微笑みが、返事の代わりだったんだろう。