魁龍
「確かにな、俺には関係ねぇよ。…でもな、お前、昔の俺に似てんだ。だから、ほっとけねぇんだ」
そう、心なしか弱々しくなった声で、言ってきた。
フードの中から一瞬チラッと見えた目は、何も写してはいなくて、それに何故か恐怖を感じた。
だが、それは一瞬で。
次の瞬間には目に光が宿り、真っ直ぐ俺の目を見ながら、
「もう、無駄な喧嘩はするな。自分の心がどんどん壊れていくだけだ。お前が何を抱えてんのか知らねぇが、お前は1人じゃねぇだろ。仲間、いるんだろ?」
『…何で、仲間がいるって分かんだよ』
俺がそう言えば、フッと口角を上げて
「お前は昔の俺と一緒だって言っただろ」
少し柔らかくなったその表情に、少しドキッとした。
そいつは、そのまま言葉を続ける。
「その仲間が大事なんだったら、その拳はこんなくだらない事に使うんじゃなく、その仲間の為だけに使え。そしたら、お前はもっと強くなれる。その時は、またやろうぜ」
最後の言葉に合わせて、ニカッとはにかんだそいつ。
そいつが言った言葉は、俺の心に深く突き刺さった。