魁龍


と、どこかからブーッ、ブーッ、と、マナーモードの音が聞こえてきた。




その音のする方に目を向ければ、そいつのポケットの中からだった。




「あっ、やっべ」




少し焦りながら、そいつはポケットの中からスマホを取り出し、耳に当てた。




その瞬間、内容までは聞こえないが、電話の相手が怒鳴ってる声が聞こえた。




「あーもう分かったから!俺が悪かったから…、すぐに帰るって!じゃあな!」



ブチッ、とまだ喋ってたであろう声を無視し、一方的に電話を切ったそいつ。



そして俺の方を向いて、




「んじゃ、俺はもう帰るわ。お前も、もう仲間の所に帰れよ」




そいつがそう言い、帰ろうとした時。




ブワッ、と一瞬強い風が吹いた。





その時、バサッと何かの音がした。




その方向を見れば、そいつの被ってたフードが取れていた。




『…っ…!?』





その瞬間、俺は息を飲んだ。







キラっ、と何かが光ったと思えば、そいつの片方の耳に、赤い龍のピアスが付いていた。







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