魁龍
あれは…、まさか。
「お前…」
やっとの思いでそう声に出すのが精一杯だった。
「あ?…ん?あれ、フードが…」
俺のその声が聞こえたのか、振り返るそいつ。
そして見えたそいつの素顔は…、恐ろしく綺麗に整っていた。
中性的な顔つきで、酷く大人びて見えた。
「っと、やべぇやべぇ。他の奴等に見られたら面倒だ」
そう言いながら、慌ててフードを被り直す。
『やっぱお前…、”魁龍”の』
「…はぁ、やっぱバレたか。まぁ、お前には別にバレてもいいか。そうだ、俺は…」
――――”魁龍8代目総長、魁姫”だ。
そいつは、何とも妖艶な笑みを向けてきた。
