続・危険なキス
 
女子と男子ということもあり、控室はバラバラ。

あたしはこのあと、先生が迎えに来てくれることもあり、川崎さんとバッタリしないよう、少し時間をかけて準備をする。
あとで、先生に「遅い」って怒られそうだけど。


だけど川崎さんと二人でお店を出たときのほうが、絶対に怖い。



「………ふぅ…」


着替えを済ませて、髪を整え、
先生とただ一緒に帰るだけだけど、身だしなみをちゃんとチェックをする。

先生と付き合う前までは、たいしてオシャレとか気にしてこなかったけど、先生の一つ一つの反応が気になって、それなりに気を遣うようになった。


行こ。


いい加減時間が経ったので、あたしも控室を出た。

案の定、男子の控室は扉が開いたまま電気も消えてて、川崎さんは帰ったみたい。

そんなことをチラリと思いながら、従業員用の廊下を通り、裏口からお店を出た。



「……じゃ、俺が言いたいのはそれだけだから」



ふと聞こえた声。

暗がりの中、目を凝らしてその主のほうへ目をやった。
 
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