続・危険なキス
 






「あ、おかえり」


マンションに帰って、ドアを開けると部屋はもう明るくて、
今お風呂から上がったばかりであろう紫乃が、髪を乾かしながら俺へ視線を送った。


「ただいま」
「神田先生と飲んでたの?」
「ああ」


紫乃の顔を見て、やっぱりほっとする自分がいる。


一緒に暮らすようになってから感じる、この安らぎ。

家に帰るのが楽しみになるようになった。


すぐに紫乃のもとへ行ってやりたいけど、
やっぱり余裕のない男は自分が嫌だったので、
あたかも平静を保って、スーツの上を脱いだ。



「飲み会、どうだった?」
「んー……いつもと同じ感じ」


ネクタイを外して、ボタンを外し、ようやく紫乃が座るソファーへと腰掛ける。

シャワーを浴びたばかりの紫乃からは、シャンプーのいい匂いがした。
 
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