続・危険なキス
 
「ひゃっ……」


その途端、あたしは奏人に抱きしめられていて、
思わず花束を落としてしまう。

床に散らばったバラの花びら。

あたしたちの足元を、赤く染めていく。



「もう無理。

 待てねぇから」

「え……?」



頭の上から聞こえる、切なそうな奏人の声。

そっと顔を上げ、その顔を見上げた。


「ほんと、今の俺、ガキみてぇ……。
 一緒に暮らしても、いつどこで、紫乃が奪われるかって毎日不安になってる……」

「何言って……」

「だから……
 早く俺のモノだって……。

 形が欲しいってずっと思ってた」

「……奏人…」


久しぶりに聞いた、奏人の弱音。


いつも強引で、俺様で……
嫉妬深いくせに、余裕のある態度しか見せない。


だけど今……




「ずっとお前が卒業するの待ってた。

 ……早く俺と結婚して。
 俺のものになれよ」




あたしは今、
世界で一番幸せな言葉を聞いた。
 
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