今宵、真夜中の青を注いで
不思議に思いつつも一応、『行くよー』と返す。
「ふーん、心境の変化でもあったんじゃない?」
「心境の変化って?」
「えー、それは雪穂と同じこと考えてたり?」
「なっ、何言ってるの!? そそそそんなわけ.......」
焦り過ぎて噛みまくりなあたしを見て、楓は愉快そうにした。
「冗談だってばー」
「心臓が縮みそうだからそういう冗談はやめて」
きっと顔も分かりやすいくらいの表情が出てるのだろうと思うと余計に居心地が悪い。
心なしか熱い頬に手を当てると冷たくて丁度良かった。
その間に返信が還ってきたのか、またスマホが震えた。
『良かった。今日は面白いものが見れるから楽しみにしててよ』と書かれたそれに首を傾げる。
それをいつの間にか横から覗きこんでいた楓が声を上げた。
「面白いもの? ってああ、あれか。つまんないな、星好き馬鹿め」
心底がっかりしたというように口をへの字に曲げる楓が怖い。
けど、楓は”面白いもの”について知っているようだ。
楓の言い様からして、星のことなんだろう。
「ネットニュースで見ただけだよ。その様子だと知らないみたいだし、夜久君の言うように行ってからのお楽しみにしておけばいいんじゃないかな」