今宵、真夜中の青を注いで


◆◆◆


いつもより少しだけ遅い時間に外に出た。

眠くて朝起きられなくなるから、最近は21時くらいに行って、早めに帰るようにしていたけどそれよりは遅い、最初にあの丘で出会った日よりは早い時間帯。

『無理じゃなかったら、いつもより2時間くらい遅めの方が良いと思う。あと、分かってると思うけど寒いから防寒しっかりな。マフラーも手袋も必須だから』

もう一度返ってきた返信を見返して笑みが零れる。

いつもマフラーと手袋はちゃんとして出かけるけど、一度だけマフラーを忘れたことがあった。

それを言っているのだろうと思うと、心配性だなあと思った。

でも、それが嬉しい、だなんて思う。

恋のパワーって絶大だなって我ながら苦笑いをして道を急いだ。


 丘に着くとやっぱり夜久君はいつも通り先にいた。

驚かせようと思い立ったあたしは足音をたてないようにそーっと近づく。

けど、驚かせる前に夜久君はあたしに気付いた。


「あれれ、気付かれちゃった」

「何する気だったんだよ。気配で気付くだろ」


上半身を起こして、こっちを見て呆れた顔をする。

そんな姿でも会えただけで心が躍るような気持ちになる。

いや、もっと忙しなく、暴れまわって、そわそわする。


「ちょっと驚かせようかと」



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