金色・銀色王子さま
メガネを付けて龍之介を見ると、厳しい顔でこちらを見ていた。
本気で怒っている…のと、イライラ?呆れてる?そんな複雑な表情だった。
どこまでも楽天的な自分を心底恨んだ
あんな恐い思いをしたのに
そしてあんな片桐に心配かけてしまったのに
「本当にごめんな…「あのさ、」
麻衣の言葉を遮るように、龍之介は切り出した。
「あれ」
「あれ?」
「あれだよ、あれ」
「あれってなに?」
「………豚汁」
「あ、あぁ…」
昨日、電話の後冷蔵庫にあるもので何とか作った。
寒い時期に、生姜を効かせた豚汁。
きっと忙しかったらご飯も食べてないだろうと、お節介ながら作ってみた。
そしてそれをいつ帰ってくるか分からないから紙袋にメモを一緒に入れてドアノブに掛けといたのだ。
「最初、豚汁なんてびっくりしたけど…」
「あ、余り物で作ったから…美味しく出来たか分からないけど…」
「すごい旨かった」
「え?ほんと?」
うつむいてた顔を上げると、龍之介がまっすぐ麻衣を見つめていた。
麻衣の胸はドクンと、音を立てる。
温かい大きな手が、麻衣の頬に触れた。
「それより、すごい…嬉しかった」
「………」
「おはよう」
そう言って、龍之介は優しく麻衣にキスをした。
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本気で怒っている…のと、イライラ?呆れてる?そんな複雑な表情だった。
どこまでも楽天的な自分を心底恨んだ
あんな恐い思いをしたのに
そしてあんな片桐に心配かけてしまったのに
「本当にごめんな…「あのさ、」
麻衣の言葉を遮るように、龍之介は切り出した。
「あれ」
「あれ?」
「あれだよ、あれ」
「あれってなに?」
「………豚汁」
「あ、あぁ…」
昨日、電話の後冷蔵庫にあるもので何とか作った。
寒い時期に、生姜を効かせた豚汁。
きっと忙しかったらご飯も食べてないだろうと、お節介ながら作ってみた。
そしてそれをいつ帰ってくるか分からないから紙袋にメモを一緒に入れてドアノブに掛けといたのだ。
「最初、豚汁なんてびっくりしたけど…」
「あ、余り物で作ったから…美味しく出来たか分からないけど…」
「すごい旨かった」
「え?ほんと?」
うつむいてた顔を上げると、龍之介がまっすぐ麻衣を見つめていた。
麻衣の胸はドクンと、音を立てる。
温かい大きな手が、麻衣の頬に触れた。
「それより、すごい…嬉しかった」
「………」
「おはよう」
そう言って、龍之介は優しく麻衣にキスをした。
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