金色・銀色王子さま






…って、



言うつもりじゃなかったーーーー!!!





居酒屋でえんがわを噛む香織の前で机に突っ伏した。



「麻衣ってさ、衝動的に大胆よね。大人しい割に」

「…考えないで行動しちゃうって事だよ…」

「そうゆう訳じゃないでしょ。考えすぎなくらいよ。そのくせ相談しないでこれだ!って思っていっちゃうから」


さすが香織。
私のことを私よりも見ていて、見透かしている。



「ってゆうかさ、麻衣。なんで龍之介くんとこじゃないとこで飲みたいとかいうわけ?」

「え、あっ、あー…た、たまには別のとこで飲みたいなぁなんて思って」

「私は龍之介くんに会いたかったんですけどぉ」

香織は少しふて腐りながらハイボールを追加した。



「なんか片桐に会ったら…泣いちゃうかもしれないし」

「龍之介くんに?ふっ…なんでよ…」


「なんか、分かんないけど。なんでだろね?」



「私に聞かないでよっ…」
呟いた香織は思ったよりスローペースでお酒をすすめた。
終始、何か言いたげで。
聞いても「私のことは今はいいのよ」なんて突き放して麻衣に酒をすすめた。


冬は心なしか空が深く暗い。もうマフラー、コートがないと寒くて歩けない気温になってきた。



空を見上げて思う


なんだろう、このモヤモヤ感はー…


なんでカイトと莉奈さんのことを

心配してるんだろう


.
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