好きなんて、言えるかよ。
私は昨日別れたことを聞いてしまった分
さらに、気まずかった。
「で、要件って言うのは?」
出来るだけ早くここを去ろうと
さっそく聞き出すと、誠くんは少し目を逸らしながら
手を前で組んだ。
そして、ポツリと話し始めた。
「俺が仁菜と別れた理由……
仁菜の事が嫌いになったからじゃないんだ」
ー!?
今さら何のつもりだろう。
それは、確かに私の気持ちを
大きく揺さぶろうとするものだった。