【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「青山くん!全員の出場する競技決めました!」
心瑠が選手表を持って、俺の席にやってくる。
俺の席の周りにいた男子はみんな心瑠に釘付け。
全く気付いてない心瑠。
心瑠は俺のモンだからそんな見るなよ男ども……って言いたいけどできない。
「……青山くん?」
ボーっとしていた俺を心配そうに、俺の顔を覗き込む心瑠に胸が高鳴る。
「あ、あぁ、さんきゅ」
「はい!男子の方は決まったんですか?」
「あとちょっと」
「そうなんですか」とニコッと笑う心瑠。
ほんと、この笑顔ずるい……。
男どもみんな顔真っ赤になってるし。
心瑠を連れ出したい衝動に駆られるが、我慢。
「心瑠、なにに出るんだ?」
「えっと、大縄跳びです!」
大縄跳びか……なら俺も大縄跳びにしとけばよかった。
「青山くんはなにに出るんですか?」
「リレー」
「えぇ!すごいです!頑張ってください!」
………こんなに応援されたら頑張るしかないだろ。