【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言






「青山くん!全員の出場する競技決めました!」



心瑠が選手表を持って、俺の席にやってくる。



俺の席の周りにいた男子はみんな心瑠に釘付け。
全く気付いてない心瑠。



心瑠は俺のモンだからそんな見るなよ男ども……って言いたいけどできない。



「……青山くん?」



ボーっとしていた俺を心配そうに、俺の顔を覗き込む心瑠に胸が高鳴る。



「あ、あぁ、さんきゅ」



「はい!男子の方は決まったんですか?」



「あとちょっと」



「そうなんですか」とニコッと笑う心瑠。



ほんと、この笑顔ずるい……。



男どもみんな顔真っ赤になってるし。



心瑠を連れ出したい衝動に駆られるが、我慢。



「心瑠、なにに出るんだ?」



「えっと、大縄跳びです!」



大縄跳びか……なら俺も大縄跳びにしとけばよかった。



「青山くんはなにに出るんですか?」



「リレー」



「えぇ!すごいです!頑張ってください!」



………こんなに応援されたら頑張るしかないだろ。
< 107 / 328 >

この作品をシェア

pagetop