【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「あぁ」
「そーいや、蒼空もリレーに出るとかなんとかって言ってたような……」
俺は“ソラ”という言葉に反応した。
ふぅーん……アイツも出るのか。
余計燃えるっつーかなんっつーか……。
「お?幼なじみくんも出るんだ?へぇ~……」
颯希はにやにやしながら俺に視線を向ける。
「どうかしたんですか?」
「いや、別に」
「……?」
「……よし、これで全員の競技決まった!」
俺はごまかすように、選手表をすべて書き込んで立ち上がった。
「これで提出できますね!私がその紙預かっておきます」
心瑠は俺から選手表の紙を受け取ると、自分の席に帰っていった。
男子たちも解散していく。
「はぁ………」
「体育祭、楽しみだな」
颯希、完全に楽しんでやがる……。
「……そうだな」
俺はめんどくさそうなオーラを放ちながら返事をした。