【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
私は1人で通学路を歩き始めた。
ゆっくりゆっくり、歩く。
家に帰りたくないよ……。
―――でも、現実は私たちの別れを待ってくれなかった。
「おい……、心瑠……!」
この声は………っ
顔を上げると、青山くんがあるマンションの壁にもたれていた。
「青山くん………」
「お前、ほんと遅い」
「え……?」
もしかして、ずっとここで待ってたの……?
「お前にイヤな態度とったなって謝りたくて」
ねぇ、なんで青山くんの優しさがこんなに苦しいの?
何分ここで待ってたの……?
もう、これ以上優しくされたら別れられなくなっちゃうよ……。