【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「じゃ、俺は帰るわ」
「………」
野田くんは余裕そうに笑って、教室を出て行った。
「………っうぅ……ふぅ……っ」
なんでこんなに涙が出てきちゃうんだろう?
「あ……おやま……く……うぅ……っ」
きっと、この涙の数だけ……いや、それ以上に青山くんが好きなんだと思う。
いつの間に……こんなに好きになっていたのかな?
大キライだった青山くんが気づけば、大好きになってたんだ……。
泣くだけ泣いた私は、涙を拭って教室を出た。
泣いたこと………誰にもバレないようにしなきゃ……。
学校の外の水道で顔を洗って、鏡で泣いたのがバレないかチェックしてから学校を出た。
「よし……これならバレないよね」
帰ったら……メールで青山くんに言おう。
そう決めたけど帰りたくない。
青山くんとのお別れが近づいてるなんて、イヤだよ……。