【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
勘違いした恥ずかしさよりも、心瑠にちゃんとバレンタインをもらえた嬉しさの方が大きかった。
「マジで……?さんきゅ!!!」
「美味しいかわかんないけど……」
「じゃ、いただきます」
俺は心瑠のクッキーを1つ口に入れた。
「……っん!美味い」
「ほんとに?よかった!」
心瑠も嬉しそうだ。
この笑顔に免じて……今回藤堂蒼空と2人で出かけたこと、許してやるか。
心瑠も悪気はなくて、幼なじみを助けるつもりで出かけたみたいだしな。
「ねぇ、勇吾」
「ん?」
「ぎゅーっとするね」
「え!?」
俺が心瑠の言葉に動揺している間に、心瑠は俺の腰に手を回して、ベッドに座ったまま抱きしめた。