【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言







勘違いした恥ずかしさよりも、心瑠にちゃんとバレンタインをもらえた嬉しさの方が大きかった。



「マジで……?さんきゅ!!!」




「美味しいかわかんないけど……」




「じゃ、いただきます」




俺は心瑠のクッキーを1つ口に入れた。




「……っん!美味い」




「ほんとに?よかった!」




心瑠も嬉しそうだ。
この笑顔に免じて……今回藤堂蒼空と2人で出かけたこと、許してやるか。




心瑠も悪気はなくて、幼なじみを助けるつもりで出かけたみたいだしな。




「ねぇ、勇吾」




「ん?」




「ぎゅーっとするね」




「え!?」



俺が心瑠の言葉に動揺している間に、心瑠は俺の腰に手を回して、ベッドに座ったまま抱きしめた。
< 326 / 328 >

この作品をシェア

pagetop