善人ヲ装ウ、正直ナ悪党。
こっそり遥を追うと、遥が資料庫に入って行くのが見えた。
シゴトの出来ない遥が資料庫・・・・・・・違和感満載。
とりあえず、ワタシも忍び込む。
そして、例によってレコーダーの電源をON。
「本田、邪魔だな」
課長の声がした。
「ホントに邪魔。 剛にも課長との事バレちゃったし」
溜息交じりの遥の声。
「・・・・・・遥、オレと別れたいのか?? オレは遥の事が好きだよ」
「ワタシも課長が好きだから・・・・・・別れたくない」
『ちゅッ』そして唾液の交わる音。
・・・・・・・・はぁ??!!
この馬鹿2人は、何の解決策を見出す事もなく抱き合い始めた。
・・・・・・・どうしよう、おっ始め出したら。
壮絶に気持ち悪い。
しかし、不安的中。
遥の吐息が聞こえてきた。
そして、昔のドラマばりに、資料庫の棚がガタガタ揺れ出す。
『その古い演出は何だよ』っとちょっと吹き出しそうになったのを堪え、うるさく鳴る棚の音に紛れて資料庫を出た。