LOVE＆FANTASY 嗚呼、結婚！（加筆修正版）

椿ちゃんの誘惑

　軽井沢に行ける事になって里美のワクワク気分は高まっていた。


　日頃、頑張っている自分に対して旅行のプレゼントも悪くないと思うのだ。


　だが、電話を切った後になると複雑な心境になった。


　気持ちを整理するなんて、ついつい洒落た事言ったけれど、果たして本当にそんな気持ちになれるかどうか自分でも疑問なのだ。


　イザ、当日になって挙式の光景を目の当たりにすれば嫉妬の思いが余計に増すだけかもしれない。


　イヤでも、そんな思いになってしまう。


「寂しい女なら、そう思っちゃうかもねぇ」


「え!?」


　突然の背後からの声に里美は仰天。


　又、由紀なのかと恐る恐る振り返ってみると違っていた。