LOVE&FANTASY 嗚呼、結婚!(加筆修正版)
 里美の目に映ったのは別の人物である。


 ゆるふわロングの茶髪をした、ちょっと小悪魔的な顔をした女の子。


 ジャージ姿のラフな格好で人のウチに現われるなんて失礼千万だけど、椿ちゃんなら許せると里美は思った。


「寝る前のひと時に、ちょっとお話しでもしようよ」


 ニッコリ顔の椿ちゃんを、里美は冷めた目で見る。


「電話での長話し、聞いたの?」


「私は悪魔。地獄耳の持ち主ですからー」と、椿ちゃんは悪びれる態度を見せない。


「元カレの結婚式に出るなんて変だよね?」


「別にイイんじゃない? 里美がそうしたいなら」と言って、椿ちゃんはベッドに腰下ろして大きく背伸び。
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