LOVE&FANTASY 嗚呼、結婚!(加筆修正版)

電話での語らい

 この夜…


 今度は智子は、美智代と電話で語り合った。


「ゴメンね、智子に黙ってて」


 いきなり美智代が謝った。


 何の事で謝るんだろう?


「どうしたの? いきなり」


「私が結婚する事、今まで智子に黙っていたから」


「そうそう、私には何も言わなかったよね? 理由有り?」


「まぁ…、色々と…」


「色々って?」


「ええっと…」


 何だか、答える事を躊躇っているような印象を智子は受けた。


 なあに、何も美智代が理由を言わなくても智子には女の鋭い直感で分かる。


「美智代ったら気兼ねしてるんだ? 私にはまだ、彼氏がいないからって言うんで」


 美智代の結婚を話題にする智子も、本人自身はまだ彼氏さえもいなかった。
< 30 / 267 >

この作品をシェア

pagetop