LOVE&FANTASY 嗚呼、結婚!(加筆修正版)
 きっと数多く乗り越えて来た思われる恋の修羅場で、男性に対するイメージが根付いたのかもしれない。


 峯島は里美に対してこう思ったのだった。


「里美さんって、よほど理想の高い人みたいですね?」


「私は気品と風格を兼ね備えたレディよ。それに美しさでは誰にも負けないわ。私のような素晴らしい女のハートを欲しかったら、それなりの高いレベルの男でないとね」


 段々と峯島の表情から笑顔が消えた。


 2人の様子を、あの女が近くの物陰から伺っている。


「じゃあやっぱり僕は…」


 里美はタバコに火を付けて吸い始めた。


「自分のツラを鏡でよーく見なさい。アンタのような軟弱な男が女を口説くなんて、10年早いのよ!」


「…」



< 96 / 267 >

この作品をシェア

pagetop