俺達付き合っています
「じゃあ、行くか」


殺意を全身で受け止めながら頷く。


丈留くんは歩き出すと同時に、私の手を優しく握った。

「!?」

『キャァッー!?』

これには私もビックリ。もちろん女の子達もビックリ。


私は顔を真っ赤にして口をパクパクさせ、私よりずっと背の高い彼を見上げる。

「え?何?手も繋いだことないの?やだ、弥生チャン、林檎ー」

言い返せない!確かに手繋いだのって小学校低学年とかそのくらいの頃の記憶しかないし!


私が赤くなってるすぐ後ろで、別の意味で顔を真っ赤にしている女子がいる。

『何あいつ…!丈留くんと手繋ぎやがって!』『たいして可愛くもないくせに!』『金でしょ?金で買ったんでしょ!?』

などの悪口が聞こえる。可愛くないのは肯定します。お金で買うなんてそんな。東京来て「家賃高と!九州の倍するけん!」と言っていた貧乏人だし!
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