愛し*愛しの旦那サマ。


そんな私に追い討ちをかけるように、その状態で、


「サチ」


と、私を呼ぶ臣くん。


いや……でも、その呼び方は……


と、私が思っていると、さっきの表情とは変って、


「サチ、って呼ばれてたんだね」


と、ニッコリ微笑む臣くん。


滅多に笑顔なんて見せないのに、本日二回目の微笑み。


その王子サマの様な微笑みで、思考回路はこんがらがって、最終的には目の前にいる臣くんのこと以外、何も考えられなくなる。

すると、ぐいっと臣くんが私をひっぱって、


「幸代」


今度は何時も通りの呼び方で私を呼ぶ。


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