愛し*愛しの旦那サマ。


「アイツったら酷いんだよ……アタシも知ってる女と浮気してたんだよ……?その女と特別仲が良いわけじゃなかったけど、彼女の顔見知りの女とだなんて超酷ーいっ!!」


幸江はアイスティーが入っていたグラスを右手で掴んだまま、プルプルと手を震わせる。

……大事な櫻井家のグラスがそのまま握り潰されてしまわないか、心配である。


「本来なら今日だってー、アイツが免許とったから前々から計画してた九州一周ドライブに出かけるハズだったのに……その為にこのアタシがお年玉も使わずに貯めてたのに……」

それなのに……それなのに……

二日前にアイツがその女とラブホに入る瞬間なんて目撃しちゃって……


「正月に一緒に初詣に行って、一緒に神様に将来を誓って、お守りも買ったのに……ディカプリオの……」


バカぁーーーーーーっ!!


と、

天井に向けて、大声で叫ぶ妹。


っていうか、レオ様に失礼だから、普通に本名で呼ぼうよ、妹よ。




< 218 / 498 >

この作品をシェア

pagetop