愛し*愛しの旦那サマ。


「いい?そこで絶対絶対、大人しく座ってるのよ」


そう強く念を押し、玄関へ向かおうとした瞬間、


「あーっ!おねーちゃん、あそこにゴキがいるーっ!!」


騒ぎ出す幸江。


「うそっ!どこどこっ……!?」


ちょうど近くにあった通販カタログを素早く丸めて手に取る私。

を、見計らって、


「じゃー、ゴキバスターで忙しいおねーちゃんに代わって本日もいってきまーす」


昨夜同様に軽快なスキップで玄関へと向かう幸江。


「ちょ……どこにゴキが……!」


部屋中を見渡しながら叫ぶも、幸江はさっさとリビングを出て行ってしまう。


も、もしや、幸江の策略に見事ハマッたんじゃ……(ヤラレター!!)


そんなワル知恵が働く幸江を追いかけて、通販カタログを放り投げ、急いで玄関へとGO!


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