愛し*愛しの旦那サマ。

そんな臣くんに、


「い、いーのっ、とりあえず、今夜はどう拒否されようと、臣くんから離れない予定でいきますからっ」

覚悟をどーぞっ……!


と、本日の意気込みを伝えてみる。

すると、一間置いて、


「じゃあ、とりあえず抱きしめさせて」


私の腕を掴むと、身体ごと引き寄せてしまう臣くん―…

そんな臣くんは、ネクタイも緩めず、片方の手にはカバンを持ったまま。

まだ靴も脱いでいない。


幸代。

臣くんの腕の中で、ただ今シアワセ充電中……


「臣くん……」

「何?」

「あの幸江パワーにも見た限り動じていませんでしたね……むしろ、上手く相手してたくらいで……」

「互角に強力なパワーを持った妻がいるからな」


さすが。

私の旦那サマですね。


「で、次は?」

「はい?」

「今夜は離れない予定なんだろ?」

「……っ」


私の答えを聞くより先に、


「っ」


口唇を奪っていく臣くん。


今夜。

というよりも、一生、離れる予定はございません。


それも、

覚悟をどーぞ、旦那サマ。



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