愛し*愛しの旦那サマ。
「何で起きてるのっ?」
「目が覚めたからだよ」
……ソレモソウカ。
「ねぇ、臣くん……」
「何?」
「本当に目が覚めた?」
「見てわかるだろ」
「ほら、何時もみたいに私の声で目覚めないとすっきりしないんじゃない?だから、もう一度寝てくれたら精一杯の幸代癒しのヴォイスで……」
「何時にも無く目覚めがいいから大いに遠慮しとく」
「……デスヨネ」
あぁ゛、
せっかくの朝一番のお楽しみを逃してしまうなんて……
せめて十分でも私が時間を巻き戻せたらいいのに……
だけど、そんな高度な技、生身の人間である私には無理ね。
あぁ、
「魔法使いが羨ましい……」
そう、こっそり呟いたところで、
「お前の脳ミソこそ早く目覚めさせてやれば?」
すかさず、臣くんの突っ込みが。
「もぉー、臣くんったら失礼な~、私の脳ミソさんはちゃんと起きてますー」
「ああ、お前の場合、起きていても寝惚けてるような頭だからな。それは失礼」
祝日の朝から、冷静なご指摘を頂いた幸代です。