愛し*愛しの旦那サマ。

と、思っていると、


「お待たせ致しました」


コーヒーが来た。

とりあえず、喉も渇いてきたので、素直にイタダキマス。


「……」


おお。

なかなか美味しい。今度は理沙子を誘ってこよう。

なんて思っていると、


「それで、今の事務所に入ったら櫻井先生がいて、凄く嬉しかったんですけど―…」


と、すかさず秘書藤枝の語りが耳に入ってくる。(マダ、続クノ?)


「……けど、まさかのまさかでご結婚されてるって聞いて、私、ちょっとショックだったんです。で、あの櫻井先生を射止めた奥様がどんな方だろうかと思っていたら、偶然、ショッピングセンターでお二人をお見かけして……」


なんだか、もっとショックでした。


と、タバコを灰皿に押し付ける秘書藤枝。


「実は、奥様を見たのは、レンタルショップで会った時が初めてじゃないんです」

「はぁ……それが何か?」

「だから、ショックだったんです」

「ショック?」


このコ、ホントに何が言いたいのサ。

と、思っていると、


「櫻井先生の奥様が、思い描いていた様な女性じゃなくてショックだったんですよ」


このオジョーサン。

はっきりと言ってくれました。


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