愛し*愛しの旦那サマ。
果たして。
タクシーから下車してくる人物は―…
息を呑んで、後部座席から降りてくる人物に注目する。
そして、後部座席のドアが開き、降りてきたのは、
女。
タクシーから降りるやいなや、おぼつかない足取りをみせる。
あらあら~
どこのオジョーサンかは知らないけど、飲み会の帰りかしら?
やけに足元があぶなっかしいんですけど~
あれで、これから無事にお家まで辿り着くのかしら~…
って、冗談はさておき。
あのオジョーサンは、まさしく、
“ F ……秘書藤枝! ”
さて。
Fが姿を見せたということで、問題はこれから。
このまま後部座席のドアが閉まるのか、それとも、私の愛する旦那サマが続けて降りてくるのか……
運命の一瞬。
結果はいかに……!?