愛し*愛しの旦那サマ。
「……っ」
後部座席のドアは直ぐに閉まることはなかった。
続けて降りてきたのは、私の愛する旦那サマ……
「臣くん……」
姿を見れば、自然と名前が私の口からこぼれる。
やっぱり、一緒に帰ってきちゃったんだ……
ショックだけど、だけど、まぁ……私も男性社員と飲み会帰りに相乗りしたことあるし……
だから!
今、目の前で起こっていることはさほど大きな問題ではない……(ソウ、思イ込ミタイ……)
と、とにかくっ。
臣くんもこうして帰宅してきたわけだしっ!この調子なら、日付が変わるまでに会えるじゃないっ!
ホラっ、そう考えたら気分がだいぶ楽になってきたっ。
とりあえず、そこの足取りがおぼつかないオジョーサン、
さっさと自分のお部屋にお帰りくださいナ!
そして、愛しい臣くんっ!
一刻も早く幸代の元に帰ってきてぇっ……!(心カラノ叫ビ)