愛し*愛しの旦那サマ。


「すぐ行くっ!今すぐ行くからっ、場所教えてっ!」


理沙子の現在地を聞き、合流地点を決め、


「じゃあ、すぐにタクシーで駆けつけるからっ。何よりも先にタクシー代よろしくお願いしますっ!」


先ずはタクシー代が必要ということを伝えて、理沙子との通話を切った瞬間……


私の携帯電話の充電も切れた。


この時、充電切れという現実が、私を若干不安にさせたが、やっぱり不安に浸っている暇もないので、急いで駐車場に待たせてあるタクシーに再び乗り込み、


「運転手さんっ!」


理沙子との待ち合わせ場所へ向かうように運転手さんに告げた。




そして、再び走り出したタクシーは約十分後。

目的地で停車した―…


「理沙子ぉ~助かったぁ~本当にこのご恩は一生忘れないからぁっ」


無事に理沙子と落ち合い、タクシー代を立て替えてもらい、無賃乗車を免れた喜びをハグという形で理沙子に表していると、


「ちょ……っ、わかったから離れて……ちなみに、アンタ、礼を言うならそこの人物にも一応言っておきなさいよ」


と、理沙子が右を指差しながら言うので、


「??」


その方向を見てみると、


「!!」

「幸代ちゃ~ん、やっほ~」


相変わらずなテンションの塚本までイタッ!


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