愛し*愛しの旦那サマ。


「なんで塚本がいるのぉっ!?」

「それはヒドイ言葉だなぁ~、ちなみに今のタクシー代の出所は俺の財布からなんですけど~」

「嘘っ!理沙子っ、ホントにっ?」

「だって、私もまさかアンタからお金貸してなんて連絡が入るとは思ってなかったから、自分の帰りのタクシー代しか持ち合わせてなかったのよ」


突然、私からきた、


“お金貸して”


連絡―…


あとは帰りのタクシー代しか持ち合わせていなかった理沙子だったが、何だか私がとっても焦っていて、ゆっくり会話する時間もなさそうだった為、

まぁ、週末の夜だから、塚本も夜の街に出てるだろうし、とりあえず塚本を呼び出して立て替えてもらえばいっか。

という、理沙子の機転の元、案の定、夜の街でフラフラ遊んでいた塚本は呼び出され、塚本当人は、よくわけもわからぬまま、とりあえず理沙子に財布の中から福沢諭吉を一枚抜いて預けた、


という流れらしい……


「……」


さっきまでの塚本への無礼な私の言動は、この場をかりて一応お詫びしておきます……


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