愛し*愛しの旦那サマ。
「何よ。特定の相手を作らないでフラフラしてるアンタに何がわかるのさぁ」
だんだん酔っ払ってきた口調で塚本につっかかるように言うと、
「実はさ……俺もちゃんと好きな相手はいるよ……」
塚本、まさかの“本命いる”発言。
「幸代ちゃんもよく知ってる人なんだけどさ……」
そこまで言うと、塚本は剥きかけていた落花生をいったん皿に置いた。
何?マジ語りモード突入なの?
と、思いつつも、
でも、私のよく知ってる相手って……
やだ。
まさか―…
どさくさに紛れて私に恋のライバル宣言するつもりっ……!?
数々の疑惑から塚本の思い人を瞬時に察知した私は、
「やだやだやだっ!そんなの絶対に認めないからっ!」
ぶんぶんっと、激しく首を振って訴える。
「えっ……認めないって、幸代ちゃん気がついてたの?」
「当たり前だよっ!あんなにわかりやすかったら普通気がつくよっ!でも、絶対にダメだから!叶わない恋だから諦めてっ!」
「でも俺、幸代ちゃんが知り合う前からずっと好きだったんだけど?」
「そんなの関係ないよっ!大体、塚本の事なんてそういう対象に見てるわけないじゃんっ!」
そう私がズバリと断言すると、
「やっぱり、そうなのかぁ……」
へこむ塚本。