愛し*愛しの旦那サマ。


「武井、悪かったな」

「いーえ。今度、幸代に栄養ドリンクを箱ごと奢ってもらいますから」

「臣~、俺も落ち込む幸代ちゃんを全力で励ましてるんだけど~俺にも何か一言、声かけてよ~」

「ああ、塚本、お前もいたの?」

「気付いてたくせにぃ~冷たい男だな~」


閉店を迎えたかまトト倶楽部で、そんな会話のやりとりをするみんな……


「やだぁ、幸代っ!アンタの旦那、私のドストライクなんですけどぉ」


何だか聞き捨てならないトトちゃんの声も……


そんなみんなの会話を聞きながら、何だか無事?臣くんに会うことが出来て、ほっとして……臣くんに何から伝えよう……

一瞬でも疑ってしまったこと。

ちゃんと話を聞かずに、手を振り切ったこと。

こんな時間まで理沙子と塚本を巻き込んで、ふらついていたこと……

色んなことへの


“ごめんなさい”


そして、せっかくの記念日に伝えられなかった


“大好き”と“愛してる”


伝えたいことが、どんどん心から湧き上がってくる……


どんどん……

どんどん湧き上が……


「う゛」


やばい。

何だか、身体の中からリアルに湧き上がってくるモノまで感じてキタ。


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