愛し*愛しの旦那サマ。

確かに、よーく記憶を辿って考えれば、臣くんがFマンションに入っていくのは見たけど、出てくる姿は見ていない……

ちょうど、私が立ち上がった時に、臣くんから声をかけられて―…ってことは、


全ては私の勘違い……?!


「とんだ濡れ衣だな」

「ご、ごめんなさい……!」

「まぁ、お前の考えることぐらい何となくわかるけど。大体、夜な夜なバルコニーに突っ立って、行動が不審者なんだよ」

「バ、バレテタ……?」


うわぁぁぁ~…

ますます自分が許せないっ。

一人で想像して、勘違いして、飲んだくれて、今までの私の行動って……一体?

もぉ~っ!さっきまでの自分に説教してやりたいくらい……!

ん?

でも、臣くんはFマンションから出た後、何してたんだろ?

そんな疑問が浮かんだ瞬間、


「……」


ダイニングテーブルの上に置かれたレジ袋が目に留まる。


私、レジ袋なんて、テーブルの上に置いたりなんかしてたっけ?

っていうか、あのレジ袋、何が入ってるの?


そんなことを考えながら、ダイニングテーブルに視線をずっと送っていると、


「ああ、忘れてた」


と、臣くん。


「忘れてた?」

「あの中身、冷蔵庫に入れておいて」


臣くんにそう言われて、何だろう……食べ物かな?そう思いながらダイニングテーブルへと移動し、レジ袋の中身を見てみる。


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