愛し*愛しの旦那サマ。
ベッドから身体を起こし、彼女を見ると、珍しく朝から粧し込んだ格好をしている。
そんな俺の視線に気付いたのか、
「どう?この間、デパートで買ってもらったシフォンワンピースとボレロだよ~」
似合う?似合う?
と、無邪気な笑顔で彼女。
この間、デパートで試着していた時も、何度もそんな風に尋ねてきた。
「普通にいいんじゃないの?」
口ではそう言いながらも、ベージュ色のワンピースを愛らしく着こなした彼女を改めて可愛いと思う自分も―…いる。
「もう出るの?」
「うん。そこで残念なお知らせが……せっかくの日曜日だけど臣くんと仲良く朝食を食べれないの……」
「……」
「幸代不在の食卓はとっても寂しいと思うけど、今日は私がOL時代にお世話になった鈴木主任の三十五歳を目前にしての結婚式だから我慢してね」
「……はいはい」
そんな相変わらずな会話をしながら、彼女と俺は寝室を出てリビングへと向かう。