愛し*愛しの旦那サマ。


一日かけて見繕ったネクタイを見て、


「……ありがと」


と、言ってくれる臣くん。


「いえいえ、どーいたしまして」


早く、そのネクタイをつけて出社するとこを激写したいデス、と、心の中で今からわくわく。


「お前、こういうのは普通にセンス良く選ぶよな」

「?」

「いや、またぶっとんだ事を企んでるんじゃないかと思ってただけ」


そんな臣くんの言葉に、


「えっ?もっと色々サプライズまじえてヒネったほうが良かった?じゃあ、じゃあ、来年は……」


ちょっとぶっとんだ路線でイキマショウカ、と、言おうとすると、


「今年と同じ路線でいい」


キッパリ強調して言われました。

ちょっとぶっとんだ企画も素敵かも知れないと、一瞬思ったのに残念。今から考えれば丸一年計画する時間があるのに。ちぇーっ。

そんなことを思っていると、


「お前も何か欲しかった?」


と、臣くんが聞いてくる。

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