不謹慎ラブソング
退部させて下さい、そう言いに行くのも億劫ではあった。

部室まで言いに行けば、瀬田と顔を合わせなければならない。

もし合わせたら、あいつはきっと何事もなかったかのように私に接してくるだろう。

そしたら、きっと私は彼女を叱責できない。
 
瀬田は馬鹿だから、自分が何をしているのかまったく理解していないはずだ。

私が今回のことでどれだけ腹を立てているかも察していないのだろう。

降るはずもない雨がずっと教室にまで降り注いでいて、私を絶えず濡らしていて。
 
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