不謹慎ラブソング
『今回締め切りを守らなかった部員

渡辺、鬼頭、金井、樋口、浅野
  
五名は、次号のコラム掲載を辞退していただきます。
  
部連絡が回って来ていないなどという個人的な言い訳は、受け付けません。
  
各自反省をすること』
 

そんな横暴なメールが届いたのは、私が学校を休んだ日のことだった。

差出人は、瀬田だった。
 
一瞬のうちに頭に血が上り、私は携帯を壁へと叩きつけてしまった。

苛々が止まらず、何処にこの感情を苛立ちをぶつけて良いのかも分からなかった。
 
――だって、私には部連絡が来ていないのに。
 
一度失敗すると、何もかも上手くいかなくなる。

不幸は連鎖して、もう何年も私を縛り続けている。

どんな悪いことを前世で行ったら、こんな苦しみを味わうのか理解もできない。
 
傷は、肌にだけではない。

くっきりと内部にまで刻まれていっている。
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