たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「由紀子はそう言うけど、一人じゃ危ないわよ。何があるか分からないじゃない」


「心配しなくてもいいわよ。塾の帰りより早いんだから。だから、大丈夫だって」



二人のやり取りは、平行線をたどるだけ。このままでは、時間だけが無駄に過ぎてしまう。そんなことを思ったのだろう。アンジーが言い争いを続けている二人の間に入ってきていた。



「ねえ、じゃあ僕が送ってあげる。それなら、問題ないでしょう?」



思ってもいなかった言葉に、亜紀も由紀子も押し黙ってしまう。その表情は、甘えてもいいんだろうか、と言いたげなもの。そんな由紀子の耳元で、アンジーは「惟の邪魔、したくないんでしょう?」と囁きかける。その声に思わず彼の顔を見つめている由紀子。



「え、えっと……」



この場は何かを言わないといけない。しかし、下手なことを言うとマズイ。そんな思いが一気に由紀子の中を巡っていく。そんな彼女の心中を察しているのか、いないのか。アンジーはさっさと彼女の腕を取っている。



「ね、惟。そうすれば、君も安心して亜紀ちゃんを送れるでしょう? ここから遠くないっていうのなら、僕の運転でも大丈夫だと思うよ。うん、この頃、日本の交通事情にも慣れてきたしね」



どうやら、この場で反論しても聞き入れてはもらえないだろう。女の子なら憧れる王子様のような容姿にも関わらず、アンジーというこの相手はかなり強引な部分もある。そんなことを思った由紀子は仕方なく「お願いします」と呟くことしかできない。そんな彼女に、アンジーはにこやかに笑いかけながら声をかける。



「うん、お願いされたよ。じゃあ、僕は彼女を送っていくね。惟はお姫様とごゆっくり」

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