【番外編】ロマンティックに抱きしめて。~ドキドキを貴方へ~
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「…すごい…。」
「…アイツ。軽くムカついてくるな。」
そう口にした先生にギョッとするも、その表情は楽しそうに笑っている。
ようやく目的地である桐谷先生のマンションに着いた私達だけれど、その迫力にポカーンとしてしまう私はまだまだオコチャマなのだろう。
前に桐谷先生のマンションは50階建てと言っていたリサ。
…一体、桐谷先生って何者?
そんな何度目かの疑問を残し、私達は高級感溢れるエレベーターに乗り込んだ。
そして、チンという音で開いたドア。
シャンパンゴールドのフロアに大きなシャンデリアがあるその空間は”マンション”という私の概念をコロッと覆す程の印象を与えた。
…こ、ここって…マンション?!
「…確か、501だったよな~。」
呆気にとられ固まる私とは対照的に何の気無しに足を進める先生。
遅れをとらぬよう、せっせとその後姿について行くと、一番端の扉の前でその足は止まった。
先生がインターホンを押す。
すると、すぐに耳に届いた聞きなれた明るい声。
「は~いっ!あっ!蒲生先生っ!今開けますね~っ!」
「…まるで、奥さんだな。」
そうクスクス笑いながら小声で呟く先生だけど。
私もそっくりそのまま同じ事を思っちゃって、フフフと笑いが込み上げた。