【番外編】ロマンティックに抱きしめて。~ドキドキを貴方へ~
「…エロい?」
「そうですよ。」
当然というような余裕のあるそぶりを見せる桐谷。
手にもつグラスをククッと傾けると、スッとした切れ長の目が俺を捉えた。
「”可愛い”と思われる事は女性にとって嬉しい事に違いありません。
けれど、時には”違う見方”で見られたい。
そう思ってしまうのが”女性”という物じゃないんですかね?」
「…。」
その言葉に呆気に取られる俺。
”エロい”なんて。
今まで何度も感じた事はあったはず。
セックスの時がそう。
顔を真っ赤にし、涙を溜め、堪えきれない声を必死に我慢している姿に、何度そう思っただろう。
華奢な体にも関わらず豊満な胸。
綺麗な上向きのお尻にも。
その色気溢れる姿に何度も我を忘れてしまった事か。
それなのに。
何故それを求めるんだ?くみは。
すると、ハァーというため息が耳に届き、目の前の桐谷に視線を向けた。
「”そんな事いくらでも感じた”って顔してますね。
じゃあ、その時。
…それを言葉にしましたか?蒲生先生?」
「こ、言葉に?」
「そうです。”エロい”や”いやらしい”って言葉は、男性が思ってるだけじゃ駄目なんですよ。
それを感じさせている女性本人にも伝えてあげなければ、意味の無い事。
相手にとって、それも一つの快感ではないでしょうか?」