【番外編】ロマンティックに抱きしめて。~ドキドキを貴方へ~



「…エロい?」

「そうですよ。」



当然というような余裕のあるそぶりを見せる桐谷。

手にもつグラスをククッと傾けると、スッとした切れ長の目が俺を捉えた。



「”可愛い”と思われる事は女性にとって嬉しい事に違いありません。

けれど、時には”違う見方”で見られたい。

そう思ってしまうのが”女性”という物じゃないんですかね?」



「…。」



その言葉に呆気に取られる俺。

”エロい”なんて。

今まで何度も感じた事はあったはず。

セックスの時がそう。


顔を真っ赤にし、涙を溜め、堪えきれない声を必死に我慢している姿に、何度そう思っただろう。

華奢な体にも関わらず豊満な胸。
綺麗な上向きのお尻にも。

その色気溢れる姿に何度も我を忘れてしまった事か。


それなのに。

何故それを求めるんだ?くみは。



すると、ハァーというため息が耳に届き、目の前の桐谷に視線を向けた。



「”そんな事いくらでも感じた”って顔してますね。

じゃあ、その時。

…それを言葉にしましたか?蒲生先生?」


「こ、言葉に?」


「そうです。”エロい”や”いやらしい”って言葉は、男性が思ってるだけじゃ駄目なんですよ。
それを感じさせている女性本人にも伝えてあげなければ、意味の無い事。

相手にとって、それも一つの快感ではないでしょうか?」

< 21 / 37 >

この作品をシェア

pagetop